予算オーバー、納期延長などなど、初めて担当するデザイン制作には予想もしなかった落とし穴がつきもの。
デザイン発注でつまづきがちなポイントを6つに絞ってご紹介いたします。
1.料金内でどこまでやってくれるのかを事前に確認してみてください。
初稿での完成イメージのズレをなくすために、ラフ案(デザインカンプ)の作成は欠かせません。ラフ案は料金に含まれている場合もありますが、1枚作成するごとに料金を支払うケースもあります。ラフ案が複数欲しい場合は事前そのことを伝え、どれくらいの料金が発生するのか確認しておきましょう。
校正後のデザイン修正についても何回まで出来るのか、料金はどれくらい発生するのか、規定の回数を超える修正の場合はどうなるのか、不安なことはなるべく早い段階でどんどん確認しましょう。
2.デザインのイメージ・目的は、なるべく具体的に伝えてみてください
もし、双方のイメージがずれていた場合少しづつすり合わせて行く必要があります。
例えばビジネス向けのデザインでよく見られる「青をメインカラーとした」デザインといっても、色々なバリエーションがあります。
デザインのイメージが事前にある程度決まっている場合、デザインのなるべく具体的なイメージを伝えてみてください。
デザイナーの方から「こんな感じかな?」とアタリをつけてくれるでしょう。
もちろん、1発で100%的中といったケースはそうそうありませんが、大抵の場合近いイメージで仕上げてくれるはず。あとは双方の意見をすり合わせながら、少しづつ理想のイメージへと近づけていきましょう。
もし、具体的なイメージが決まっていない場合は、デザインの目的・用途を伝えてみてください。
新製品の宣伝に使うチラシのなのか、安売りセールのお知らせなのか、あるいは求人用なのか・・・。
具体的な用途が分かれば、デザイナーのほうから「安さが伝わるように、デザインではどうでしょう」といったように提案してくれるはずです。
3.OKなデザイン、NGなデザインを共有してみてください
デザイナーとの出来上がりイメージをすり合わせるために用意したいのが、デザイン見本です。
例えば「カッコいい デザイン 青 ビジネス チラシ」などのキーワードでGoogleの画像検索を使ってみると、本記事の執筆時点では以下のように表示されました。
逆に「たしかにカッコいいデザインだけど、これはちょっと方向性が違うな・・・」という画像を見つけたら、NGなデザインとして教えてあげましょう。
この部分のデザインは見やすい、これはイメージに近いなど、デザインのOKな部分も一緒に教えてあげましょう。そうすることで、デザイナーはNGな部分をOKに近づけて修正してくれるはずです。
4.デザインの決定権をもつ方を念頭においてみてください
最終的にデザインを決定するのは担当者ではなく、上役の方、あるいはクライアントの方が決定権を持っている場合が結構あります。
時間をかけて修正を重ね、あとは承認をもらうだけとデザインを提出した結果「これはイメージと違う、やり直して」というような鶴の一声で、すべてがひっくり返されてしまう可能性は十分あります。
デザインの初期段階から、担当者と責任者間で最終的なデザインイメージのすり合わせを行っておくことで、終了間際のちゃぶ台返しを防ぐことが可能です。
または、決定者の性格や発言の傾向を考慮して、ここを突っ込まれそうだというところにはどう返せばいいかデザイナーに相談してみるのもいいでしょう。
5.スケジュールに疑問を感じたら、理由を確認してみてください
身もふたもないことですが、納期をオーバーしない一番の方法は、余裕のある納期をあらかじめ設定しておくことです。
大体の場合「思っていたよりも時間かかるんですね・・・」という反応をいただきます。
ですが、なぜ時間がかかってしまうのかという説明をすると、納得していただけます。
しかし、たとえば上司の方にそのまま伝えたとしても「なぜ、そんなに時間がかかるんだ?もっと早くやれるだろう」という反応が帰ってくることは、まず間違いありません。
なぜそれくらい日数がかかるか、決定者へ根拠を提示するためにも、納得できる理由を引き出してください。
6.スケジュールにはチェックポイントを設定してみてください
ここが遅れてしまうと予算やスケジュールが破綻してしまうというような重要な箇所には、チェックポイントを設けてみましょう。
特に気をつけたいのが「校正」と「印刷」のリミットです。
「4.デザインの決定権をもつ方を念頭においてみてください」でも書きましたが、校正を行う際に上司や他部署からの意見を必要とするケースがよくあります。思っていたよりも校正に時間がかかってしまった・・・というケースが発生します。
校正を行っている間、デザイナーは基本的に待ちの状態ですので、校正が長引けば長引くほど、それ以後のスケジュールに影響してきます。
チラシなどの印刷物の場合、意外と盲点になるのが印刷にかかる日数と料金の関係です。
納期までの日数が短いほど、印刷の料金は割増になるケースが多くなりますが、印刷は最終の工程ですので、それまでのスケジュールの遅れが一気に覆いかぶさってきます。それによって、予定していた日付に間に合わず料金が増えてしまい、予想していたよりも費用がかかってしまった、ということになってしまいます。
まとめ:
発注者とデザイナーの間にも、発注者の社内でもコミュニケーションが必要となってきます。
もし、コミュケーションに負担を感じるようであれば、案件に関わる人数をできるだけ少なくしてみてはいかがでしょう。
人数が少ないほど事前の根回し、確認や同意形成の手間が減り、トラブルが発生する確率も下がります。