先日このようなお問い合わせをいただきました。
- 「本文が950ページある本の印刷と製本はできますか?」
- 「無線綴じ製本なんですけど...」
- 「ネット印刷では出来ないみたいなんです」
なるほど。
無線綴じ製本をネットで調べてみると、確かに大手ネット印刷では取り扱っていないページ数です。
自前の製本機でどの厚さまで製本できるのか調べてみました。
目次
トコトン印刷で製本可能な製本の厚さ
弊社製本機で製本可能な厚みを調べてみました。
取扱説明書には1mm~5cmまでの厚さなら製本出来ると記載されていました。
お問い合わせいただいている製本の仕様と照らし合わせて作業か可能か調べてみます。
サイズ | A4 |
ページ数 | 両面950頁 |
用 紙 | 上質紙70K |
上記の内容で厚さを計算してみます。
計算式
- 用紙の枚数 950枚÷2(両面)=475枚
- 用紙の厚さ 0.1mm×475枚=47.5mm
今回の仕様はなんとか5cm以内に収まりました。
そして出来上がった製本がこちらです。
実際の厚さは46mmでした。
用紙の種類と厚さについて
製本の本文に使用する紙の種類や厚さによって最終的な製本の厚みが変わってくるので、ここでは凡その厚さがわかるように用紙の種類と厚さを紹介します。
上質紙
一般的なコピー用紙に使用されている用紙で表面のコーティングはありません。
連量 | 1枚の凡その厚さ | 主な用途 |
55kg | 0.080mm | 一般的なコピー用紙の厚さです。 両面で使用すると裏写りすることがありますので、主に片面の場合に使用します。 |
70kg | 0.100mm | コピー用紙よりも少し厚手です。 無線綴じ製本の本文で最も使用されている用紙です。 片面・両面どちらの場合でも使用されます。 |
90kg | 0.130mm | 上記よりも厚みがあるため しっかりとした印象を持たせたい場合や、裏写りが気になる場合に使用します。 |
マットコート紙
光沢を抑えた用紙で、表面が滑らかで発色が良く鮮やかに印刷されます。
連量 | 1枚の凡その厚さ | 主な用途 |
70kg | 0.090mm | 上質紙よりも少し薄いです。 上質紙よりも発色が良く、両面・片面どちらでも使用いただけます。 |
90kg | 0.115mm | 上記よりも厚みがあるため、高級感や落ち着いた印象を持たせたい場合に使用されることが多いです。 |
コート紙
表面にコート剤を施した光沢がある用紙です。
連量 | 1枚の凡その厚さ | 主な用途 |
73kg | 0.080mm | 上記の2種よりも厚さは薄いです。 表面に光沢の加工が施されている為、写真などを多用したデザインに使用されます。 |
90kg | 0.090mm | 連量は90kgですが、マットコート紙の70kgと同じ厚さになりますので注意が必要です。 |
実際の厚さを計算してみる
用紙の1枚あたりの厚さがわかったので、今度は実際に製作をお考えの製本の厚さを計算してみましょう。
参考例
- ページ数/両面850ページ
- 用 紙/マットコート110K
上記の内容で厚さを計算してみます。
計算式
- 用紙の枚数 840枚÷2(両面)=420枚
- 用紙の厚さ 0.115mm×420枚=48.3mm
50mm以内に収まっていれば製本可能です!
まとめ
ネット印刷の無線綴じを調べてみましたが、ページ数の制約が意外とあるようで、200ページを超える製本を取り扱っている大手ネット印刷は見当たりませんでした。
このブログで紹介させていただいた800頁を超える分厚い製本を製作することは稀ですが、トコトン印刷では5センチの厚さまででしたら製本が可能です。
分厚い製本のご注文大歓迎ですよ!
無線綴じ製本以外にも、各種製本を取り扱っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
トコトンサポートさせていただきます。